SX赤道儀の改造① ハードウェア編

VIXENのSX赤道儀(スフィンクス赤道儀)の改造について紹介します。

※改造については、あくまでご自身の責任にてお願いいたします。本内容は参考情報としてご覧ください。


1. SX赤道儀の構造

SX赤道儀これを、高トルクで精密な制御が可能なステッピングモーターへ換装し、オープンソースのコントローラー「OnStep」に対応させます。

オリジナルは写真にあるような、ギア付きDCモーターが使用されており、その制御用基板が赤道儀本体に組み込まれています。

完成後の3Dイメージ

左の画像が換装後のイメージです。モーターは、ギア付きの42mmサイズのステッピングモーターに換装します。このモータは、標準仕様のモータと同様に、シャフトがオフセットしている形状であるため、比較的少ない加工で、同じ位置にモータを収めることが可能です。

ギアレスのモーターはシャフトが中心にあるため、ここで説明する方法でのモーターの取り付けはできません。


2. 改造仕様

以下に部品の一覧を示します。

平歯車 モジュール0.5 49歯 ステンレス
ミスミ
GEABS0.5-49-2-B-6-TPC4
GEABS0.5-49-2-B-5-TPC4
モータマウントプレート
uxcell
a21082400ux0241jp

ステッピングモーターは、駆動力を十分に確保することを重視し、大きめの減速比のものを選択しました。このモーターの最高回転速度は100rpmです。しかし、このギア付きモーターは1度のバックラッシュを持つため、この点では設計上不利になります。

ギア付きモーターであるため。モーターとウォームギアのシャフトの伝達機構では減速は行わない設計としました。これは、伝達機構のサイズを小さくし、できるだけカバー内に収めるための措置です。ギアはミスミで注文することができます。

今回のシステムでは、脱調しないスピードの実力値は75rpmでした。赤道儀のGOTO時のスピードに換算すると1.75度/秒(420倍速)となります。実用上十分な速度ですが、モーターやギア比の選定により、さらなる改善の余地があるかもしれません。

上述の平歯車の場合、軸間距離24.5mmになります。軸間距離を決め、実際の軸間距離を実測し、それにマッチしたギアを選定することが手堅い方法です。

歯数にモジュールを掛けた値が、そのギアの直径になります。よって、モジュールの0.5の場合は、(ギア1の歯数×0.5+ギア2の歯数×0.5)/2が軸間距離になります。


3. 加工

3.1 モーターマウントプレート

市販のモータマウントプレートをベースにすることで、比較的簡単に製作できます。M3の雌ねじを切るために十分な厚さとするために、4mmのプレートを使用します。ウォームギアシャフトとモーターシャフトの位置関係が異なるため、赤緯用と経緯用では設計が異なります。

このプレートは、モーターとはM3の皿ねじで固定し、赤道儀本体とはM3の穴付きボルトで固定します

3.2 赤道儀本体への加工

ボール盤を使用して、赤道儀本体に穴あけ加工を行います。加工時の粉が赤道儀の稼働部に入らないよう、慎重にマスキングを施します。

ステッピングモーターの取り付け穴は、大きめにすることでベルトのテンション調整を可能にしています。ただし、軸間距離の調整幅は小さいため、正確な位置決めが必要です

加工後に実際の軸間距離を実測し、それに適したギアを選定することが手堅い方法です。

参考:加工図面

現物からの採寸のため、正確性に欠けます。寸法はあくまでも参考として、現物合わせでモーター位置を調整してください。

4.インターフェースボードの取り付け

インターフェースボードを作成し、標準の制御基板が配置されていた場所には取り付けます。 このインターフェースボードには、RA・DEC各モーター用のMini-DINケーブル、極軸望遠鏡の暗視野照明用レクチル用ジャック、およびレクチルのON/OFFを行うトグルスイッチを備えています。自作のボードで、D-SUB 9pinコネクタを使用しています、暗所でも取付しやすく、ねじで固定できるためコネクタの脱落も防ぐことができます。

赤道儀のインターフェース
インターフェースボード

5. 組み立て

モーターと平歯車を取り付けます。
モーターは、適切なバックラッシュになるように取付位置を調整します。
ギアを固定するいもねじには、緩みやすいため、ねじのゆるみ止めを使います。
純正のカバーは、ギアと干渉することなく取り付けが可能です。

平歯車を取り付けた状態

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